作品 Works
【2021】 詳細はこちら click for detail
しんにょう / SHIN-NYOU
H12.5cm×W50cm×D0.2cm
Black acrylic plate, gesso
黒いアクリル板にジェッソ
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「しんにょう」は「道」「進」「迷」など、行ったり止まったりしながら進むという
道や歩く事柄に関することを表す部首だ。
この作品は白地に黒で書いた「しんにょう」ではない。
黒地に白をぬって、かたどられた「しんにょう」だ。
パンデミックのさなか、私たちは思いもかけない
外的状況に押し流された「しんにょう」を歩んでいる。
のびのびと思い通りに書いた「しんにょう」ではない。
個人の事情などおかまいなしの状況だ。
私は旧姓が「近藤」だということもあり、「しんにょう」に思い入れがある。
これまでに沢山の「しんにょう」を書き「しんにょう」な経験もしてきた。
しかし、今のパンデミックほど「しんにょう」な事柄を考える機会は無かったのではないか。
「しんにょう」は個人だけの事柄ではない。
しかし同時に自分の「しんにょう」を内側からかたどってゆくことの尊さを感じずにはいられない。
構築されない声 / Deconstructed Voice
17cm ×28.5cm
黒半紙に白墨液とソリッドマーカー
White ink and solid marker on black paper
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脱構築。
私はこの考え方に大賛成です。
I wrote characters 「声=voice」.
I'm all for the idea of deconstruction.
愛の歌 / The song of love
トレーシングフィルムにソリッドマーカーとジェッソ
各H85cm×W73cm(2枚1組)
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60.6cm×45.5cm 2pieces 1set
gesso and solid marker on tracing film
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<ステートメント/statement>
このタイトルはデ・キリコの「愛の歌」からの引用だ。
私はモチーフに文字を選んだ。
「声」と「杜」と書いた。
「声」は私たち人間を含む、動物を象徴している。
「杜( もり)」は神社の木立や御神木を意味し、植物を象徴している。
両者とも呼吸をしているのだが、働きは真逆だ。
動物は酸素を吸う。声をあげて動き、他の生き物を殺す。
植物は酸素を吐く。静かに地に根をはり、他へ貢献しながら生きる。
植物は動物を遥かにしのぐ存在だ。
私は近所の杜を散歩しながら、考えを廻らせたり、まわりに人がいないと声を出してみたりする。
カラスもカアカア鳴いていたり。そんな時、うっそうと繁る木立の意識を感じる。
そして、木立と自分の生き方のあまりの違いにあきれる。
こうして私は植物信者として杜に頼って生きている。
そして杜は私の声や言葉を祝福していてくれているのかもしれない。
この作品はコンセプチュアルアートであるが、一本の御神木と、それを崇める一人の人間の信仰を表す一種の宗教画であるとも言える。
l wrote the characters 「声=voice」and「杜=forest」.
The each hole is for breathing.
パルス / pulse
14cm ×36cm
gesso and solid marker
on tracing film
2021
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カタカナでパルスと書いています。
パスルは鼓動や脈拍という意味。
ありがたく、今日もパルスしています。
I wrote characters 「パルス=pulse」.
Thank you for pulsing today.
存在の穴 / The holes of existence
20cm ×20cm
gesso and solid marker
on tracing paper
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何気ない存在にも、その背景には
形而上の領域がひそんでいる。
Every existence has the metaphysical background.