作品 Works

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たび時空
たび時空

アクリル板にジェッソとアクリル絵具とペイントマーカー
Φ24.5cm
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変体仮名で「たび」とかいた。字母は「多飛」。変体仮名は昔の平仮名だ。一つの音に対していくつかの字形がありその時の美意識に従って選べた。この作品の場合なら「旅」を意味する「たび」だ。

言葉に対して文字を選ぶ自由が変体仮名にはある。筆の運びも疎密も自由だ。意識を強く表すこの文字を現代にかく。デジタルで世界中のフォントが軽々と飛び交う時代だからこそ、全く合理的でないこの文字をかきたい。なぜなら、日本人の意識の変遷の歴史をこの文字が反映しているからだ。

「旅」には始まりと終りがある。その間にある時間と空間は新鮮で貴重な体験をもたらす。「た」と「び」の間にかかれたラインは、「旅」の限られた時空を意味する。自分で計画したプランと、思いがけない出来事が交錯して、いろいろな感情が生まれる。そして最後に帰宅してホッと家はいいなあと思う。

人生という旅もきっと同じだろう。この世に生を受けて旅をし、いずれ生まれる前に帰る。いま自分が在る時空を体験しつくして、ホッとして帰りたいものだ。

な意識
な意識_85×75.jpg

トレーシングフィルムにアクリル絵具とマーカー
85×75cm

な意識
な意識_30×23.8.jpg

トレーシングフィルムにアクリル絵具とマーカー
30×23.8cm

に意識
に意識_34.8×42.4.jpg

トレーシングフィルムにアクリル絵具とマーカー
34.8×42.4cm

たび時空
たび時空_33.3×24.2.jpg

33.3×24.2cm
半紙に墨とマーカー

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変体仮名で「多飛」とかいて「たび」と読む。
変体仮名は昔の平仮名だ。一つの音に対してその時に合わせて字形を選べた。この場合なら「旅」「度」「足袋」と、いくつかの意味を持つ。
言葉の意味に対して文字の選択の自由があり、書く人の意識にそれがゆだねられた。筆運びも一定ではなく文字の間隔や密度も自由だ。文字が一つの時空を形成しているようだ。
私は長い「旅」に出たい。だから間隔を広くとって「多飛」とかく。

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